活躍できる業界が広い管理栄養士。
しかし、その分転職をする方も多く、就職先に悩むことも少なくありません。
特に、働く際に大事なのは労働条件と一緒に働く人との人間関係ですよね。
これらが自分とうまくマッチしていないと、「辛い」「辞めたい」と感じてしまいます。
この記事では、実際に管理栄養士として働き、転職も経験した私が、実際に就職活動、転職活動をしていく中で感じた、「ブラック企業かな?」という違和感について紹介していきます。
※この記事は主観的な内容を多く含みますので、正しい情報でない可能性を考慮した上でお読みください。
就職や転職でつまづかないための客観的なチェック項目が知りたいという方は、こちらの記事をご覧ください!
管理栄養士はブラックな職場が多い?

正直、管理栄養士が働く職場の中には、いわゆる「ブラック企業」と呼ばれるような環境も少なくありません。
例えば、管理栄養士採用人数が少ない職場では、業務量が多くなり労働環境が悪化しやすいという特徴があり、「残業が多い」、「常に人手不足」というのは多くの現場が抱える問題でもあります。
また、管理栄養士・栄養士の年収の中央値は、約350万円(疫学調査)と言われており、日本人の給料の中央値405万円(厚生労働省)と比較すると低い水準となっています。
ただし、すべての職場がブラックであるわけではありませんので、そういった職場を就職する前に見つけ、避けるために、次に紹介するようなポイントを押さえておきましょう。
就職前に確認したいブラック企業チェックリスト!

就職する前、応募する前にブラック企業を見つけ出すためには、以下のチェック項目に当てはまるかどうかを確認するのがおすすめです。
- 求人票の内容が薄い
- 基本給が低い
- みなし残業代(固定残業)がある
- 試用期間中は条件が異なる
- 休み日数が少ない
- 完全週休二日制ではない
- 管理栄養士の人数が少ない
- 厨房業務が多い
- 頻繁かつ長期的に求人を出している
- 選考項目が少ない
実際のチェック項目と、それぞれ当てはまることでなぜ危険なのかについて紹介します。
求人票の内容が薄い
「求人票の内容が薄い」というのは、
- 給料の総額しか書いていない
- 各種手当の内容がない
- 業務内容が「管理栄養士業務」などざっくりしている
など、求人票に記載するべき内容が少ないことを言います。
こういった求人票を出している職場の場合、詳細を載せられない理由があるかもしれません。
就職後にトラブルにならないよう、事前に電話で確認したり、面接の際に詳細を聞き取るようにしましょう。
基本給が低い
給料の総支給額のうち、基本給が極端に低く、手当やみなし残業代で給与がかさ増しされている求人は要注意です。
手当や残業代で給料がかさ増しされていると、月の給料が確保されていても、ボーナスが少なくなり、年収で見ると少なくなる危険性があります。
ボーナスは、基本給×◯ヶ月分という支給をする会社が多いため、基本給を下げている会社はボーナスを削りたいという意思があると言えます。
また、人件費を削ることを第一にしている会社は、昇給しない(金額が小さい)可能性もあります。
評価をしっかりと受けたいという方は特に注意が必要です。
みなし残業代(固定残業)がある
みなし残業代も、見方によってブラック企業を見つけるのに効果的です。
みなし残業代は、残業をしていなくても支給されるお金のことです。
残業時間0でもみなし残業代は支給されますが、「みなし残業代があるから」という理由で残業が慢性化している可能性もあります。
また、「みなし残業代をつけることで基本給を下げ、ボーナスの支給額を削りたい」という意図で採用されている場合も少なくありません。
一方で、「常にどの職員もどうしても毎月残業がある」という会社では、残業時間の処理を簡素化するためにみなし残業代を採用していることもあります。
その場合は、働く側にもメリットがあります。
そのため、みなし残業代がある求人を見つけたら、月何時間分ついているかを確認しましょう。
個人的には20時間を超えると危険という印象です。
試用期間中は条件が異なる
試用期間中(多いのは3ヶ月)は労働条件が異なるという場合も、注意が必要です。
試用期間がある事で、会社も就職する人も環境が合うかどうかを試すことができるため、制度そのものは悪いものではありません。
しかし、極端に試用期間中の条件が変わる場合、「3ヶ月以内に人が辞めることが多いから条件を変えておこう」という目論見があるかも知れません。
例えば、
- 試用期間中は給料が下がる
- 試用期間中はボーナス査定期間に含まれない
- 試用期間が長過ぎる
といった特徴がある場合は要注意です。
休み日数が少ない
年間の休日数が少ない場合、労働環境が過酷になりやすいため注意が必要です。
例えば、完全週休二日制でも、長期休暇に休みが取れない場合は、年間休日数が104日になります。
これに近い数の場合、一般的に「休みが少ない会社」といえます。
逆に、完全週休二日制+祝日休みの場合、年間約120日が休みとなり、これがホワイト企業の基準の一つとされています。
管理栄養士が働く業界は、福祉施設や給食会社のように365日稼働している場合も多く、休日数が少なくなる傾向にあります。
そのため、休日数は管理栄養士が働く業界を決めるためにも重要な要素となります。
ちなみに、給与が高くても出勤日数が多ければ、実働時間で見るとコスパが悪い可能性があります。
求人を見比べるときは、休日数もしっかり確認しましょう。
完全週休二日制ではない
「完全週休二日制」という文言がない場合は、休みの数が少なく、労働環境が悪化しやすいため要注意です。
「完全週休二日制」とは、「週に必ず2回以上の休みがある」という制度です。
逆に、「週休二日制」は、「月の中に週2回休みの週が1回でもある」という制度のため、最悪週1回休みばかりになる可能性があります。
完全週休二日制であっても、祝日に休みが取れなければ休日数としては少なくなりますので、まずはこの制度を最低ラインとして求人を探しましょう。
管理栄養士の人数が少ない
管理栄養士の人数が少ない場合、業務に忙殺されて労働環境が悪化する可能性があります。
管理栄養士の配置が1人しかされていない職場は依然として多く、その場合は管理栄養士業務を一人でこなさなければなりません。
その場合、自身の業務スピードや業務量によっては残業、休日出勤、休憩が取れないなどの労働環境悪化に繋がる可能性があります。
一方で、一人で仕事がしたい方や、自身である程度の裁量権を持ちたい方などは、一人の職場が向いている場合も多いです。
これに関しては、事前に業務量などを確認しておけば問題ないでしょう。
厨房業務が多い
厨房業務が多い職場(特に直営など)は、労働環境が悪化する危険性があります。
当然、厨房業務そのものは悪くないのですが、管理栄養士の業務を行う時間がなくなる原因となることも多く、厨房業務を委託している場合と比較すると、労働環境が悪化しやすい傾向にあります。
そのため、求人を比較する際は、厨房にも入りながら仕事がしたいのかなど、自分の働き方やキャリアプランも踏まえて考えることが重要です。
頻繁かつ長期的に求人を出している
求人が頻繁かつ長期的に出ている職場は、人が集まらない、もしくはやめてしまう職場である可能性が高く、ブラック企業である可能性があります。
基本的に、求人サイトに求人を掲載するのにはお金がかかります。
そのため、継続して求人を載せ続けたり、何度も求人を載せることは企業としても避けたいはずです。
しかし、それらが行われているということは、人が集まらなかったり、辞めてしまう問題がある会社である可能性があります。
選考項目が少ない
就職するまでに、「面接一回」や「筆記試験なし」など、選考項目が少ない場合は、ブラック企業である可能性があります。
選考項目が少ないことは、就職する側としても楽ではありますが、その分自身とのマッチング率を見定めることも難しいです。
また、他の職員もそのようにして入職しているため、複数の選考を突破できるほどの能力を有していない可能性があります。
特に、求人が頻繁かつ長期的+選考が少ない場合、「入職するハードルが低いはずなのに人が定着しない」職場である事が考えられます。
そのため、就職活動の際は、選考が多い=面倒と考えるのではなく、その分信頼できる企業であるとの考え方を持つことも重要です。
幅広く活躍できるのは管理栄養士のメリット

求人票の注意点について紹介しましたが、管理栄養士はそもそも幅広い分野で活躍することができる数少ない国家資格です。
管理栄養士の資格を取るか迷っている学生さんも、管理栄養士として働くことに悩んでいる既卒の方も、管理栄養士の可能性を信じてみるのも良いのではないでしょうか?
まとめ
求人票を見る際の注意点について紹介してきました。
個人的な見解が多分に含まれているため、意見の一つとして参考にしてもらえると嬉しいです。
また、考えすぎていては就職活動も進まないため、ある程度妥協したり、思い切って面接を受けてみたりするのも大事だと思います。
気になったものがあれば、ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
このサイトでは、「管理栄養士って自由で面白い!」をコンセプトに、管理栄養士についてのさまざまな情報を発信しています。
気に入ってくれた方はぜひ、他の記事も見に行ってみてください!
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