管理栄養士は国家資格であるにもかかわらず、給料が低いことで有名です。
管理栄養士の平均年収はどの業界でも日本人の平均年収を下回っていることが多く、比較的給料の高い病院や公務員でさえ、役職についてようやく一般の平均年収程度であることが多いです。
この記事では、そんな管理栄養士の給料が低い6つの理由と収入を上げるための方法について紹介していきます。
これから管理栄養士を目指すという方、管理栄養士として給料UPを目指したい方はぜひ読んでみてください。
管理栄養士の給料はなぜ安いのか
管理栄養士の資格を取得するためには4年間大学で学ぶ、もしくは栄養士の資格を取得した後実務経験を積んだ後、国家試験に合格しないといけません。
そんな多くの労力と勉強時間が必要な管理栄養士という資格は、国家資格であるにもかかわらずどの業界でも給料が低いという現状がありますが、それはなぜなのでしょうか。
管理栄養士が置かれている現状について紹介していきたいと思います。
管理栄養士が稼げない6つの理由
➀業務独占ではない
管理栄養士が稼げない理由の1つ目は業務独占ではないためです。管理栄養士は資格を持つものしか名乗ることができない「名称独占」の資格ではありますが、資格を持っている人しかその業務に従事できない「業務独占」の資格ではありません。
つまり、管理栄養士でない人が栄養相談をしたり給食の献立を立てたりしても法律上は全く問題がありません。そのため、管理栄養士の業務は資格を持っていない他の職種に代わられることも多く、必要性が確立できていないことが給与の低さに関係しています。
ちなみに医師や看護師はそれぞれ業務独占であるため資格を持つ者しかその業務を行うことができず、管理栄養士と比べて地位が確立されています。
管理栄養士も少しずつ有用性をアピールして地位の向上に努めていますが、まだまだ低いのが現状です。
➁利益を生むことが難しい
管理栄養士は獲得できる点数が非常に少なく、採用しても利益を生むのが難しい職種です。
病院や施設などでは管理栄養士が計画を立てたり栄養指導に関わることで、診療報酬や介護報酬から点数を獲得し売上を上げられますが、管理栄養士は獲得できる点数が少ないため、人数を増やせば増やすほど利益を生める職ではありません。そのため、多くの職場では管理栄養士の人数は必要な仕事をこなせる最低限の人数しか採用されていないことが多いです。
人数が少なければその分できる仕事も少なく、有用性をアピールできないため給料UPに繋がらないという厳しさがあります。
③管理栄養士の人数が多すぎる
次にあげられる理由は、管理栄養士の数が多すぎるという問題です。
厚生労働省のデータによると、令和2年度の管理栄養士数は約25万人。そして、毎年約1万人が国家試験に合格している状態です。
しかし、そんな状況でも管理栄養士の就職先はあまり増えていません。
比較的多くの管理栄養士が採用されている病院でも、人数は数名である場合がほとんどで、2桁人数採用されているところは非常に少ないです。にも関わらず管理栄養士が毎年1万人も増えているため、就職先の取り合いになってしまいます。
資格を持つ人が多いと言うことは、雇用する側からすれば待遇を良くせずとも管理栄養士として働きたい人が大勢応募してくるわけなので、尚のこと給料や待遇が改善されない状況に陥ってしまいます。
そうなれば管理栄養士業界全般として給料の増加は見込めなくなってしまっています。
④女性が多い職場である
管理栄養士の男女比は1:9程度と言われ、そのほとんどが女性です。
女性は男性よりも育休・産休を取得する確率が高く、それを機に退職する方も多いです。
そうなると、管理栄養士をある程度続けていた30歳前後の戦力となる人が職場からいなくなり、また新しい人材を育てる必要が出てきます。
そうなれば当然、管理栄養士の地位を上げるために仕事以外に研究を行ったり、自身の待遇を上の人間に掛け合う人が少なくなり、管理栄養士の地位が変わらないまま日ごろの業務のみをこなすことになり、結果待遇が変わらないままになってしまいます。この現状を打破するためには育休・産休明けの方が戻ってこれるような環境や戻りたいと思うような給料を提示することが重要ですが、現状それが叶わない職場が多いです。
⑤若手を育てるのが難しい
管理栄養士はそもそも人数が少ないため教育制度が成り立っていない場合も多く、若手を育てる環境が整っていないことがよくあります。
上で解説した通り、先輩が辞める→若手がそのポジションに付く→新人教育がうまくいかない→仕事が続かない→待遇が変わらないという悪循環に陥ってしまうのです。
しかも、管理栄養士としてステップアップしたいと思い病院に就職しても実際は厨房業務ばかりで臨床業務を経験できないという人も多く、モチベーションの低下による退職などが起こりやすい環境も多いです。
なので、管理栄養士全般の待遇を改善し、若手が成長できる環境を整える必要があるのです。
⑥食事の効果を示すことが難しい
管理栄養士の地位を向上させるためにはとにかく売上を上げることが必要です。
そのためには診療報酬や介護報酬の点数を上げたり算定要件を広げる必要がありますが、「食事」は効果を示すことが難しいため管理栄養士を採用するメリットをアピールすることが難しいというのも給料が上がらない原因の一つです。
食事は日々の積み重ねでようやく効果が現れるため、手術や薬のように短期間で劇的な効果を出すことができません。
加えて、食事はその他の治療と同時に改善すべきことであるため、食事そのものの効果を示すことも難しいです。
そのため、管理栄養士が食事をサポートしてもどれだけの効果があったのかを明確にすることが難しく、必要性をアピールすることが困難です。
必要性がアピールできなければ報酬も上がらず、その結果売り上げに繋がらない管理栄養士は給料が上がらないという結果につながってしまうのです。
管理栄養士が収入をアップさせるには
副業をする
管理栄養士が本業で給料を上げることができないのであれば、副業をして収入を増やすことが最も現実的な方法です。
このブログも始めは副業としてスタートしています。
オススメの副業はブログやライターのように隙間時間で作業ができたり、自分が働かなくても収入になるようなものです。
他の職場でダブルワークすることも副業になりますが、自分の時間や体力を切り売りするだけでは中々根本的な解決にはならないため、本業とは違う働き方をしてみるのがオススメです。
投資を始めてみる
副業と同時に、投資を始めるのもオススメです。元の給料が良くない管理栄養士は働く時間を増やしても大きな収入UPは望めないため、投資など自分が働かずにお金を増やせる方法を取ってみるのがオススメです。
と言ってもいきなり投資をするのは怖いと感じる方も多いと思いますので、そんな方はこちらの記事をご覧ください。
私が実際に新社会人になってから始めた積立ニーサと呼ばれる投資方法についてまとめた記事になっています。
投資なのでもちろん損する可能性もありますが、積立ニーサはその中でも比較的安全性が高くプラスになる確率も高い投資制度で、リスクを取るだけの価値があると思います。
不用品を売ってみる
副業や投資のようにお金を稼ぎ続ける方法ではありませんが、メルカリなどのフリマアプリを使って不用品を売るのもお小遣い稼ぎとしてはおすすめです。
実際私も引越しに際して不用品を売ってみましたが、初心者でも意外といい値段で売れたりするので、ぜひ一度やってみて欲しいです。長期的に稼げるものではありませんが、一時的なお金の不安を解消するにはうってつけだと思います。
まとめ
今回は管理栄養士が稼げない6つの理由と収入を上げるためのポイントについて紹介しました。金銭的に苦しいことの多い管理栄養士ですが、その問題を解決するためには現状を知っておくことが重要です!
ここまで記事をご覧いただきありがとうございます!
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