管理栄養士なら誰しも一度は経験する、「厨房の調理員さんとのピリついた空気」。
自分の考えを伝えても調理員さんにはなかなか伝わらず、もどかしい思いをしている方も多いはず。
かくいう私も、直営の老人ホームで働いていた時、調理員さんといかにうまくやるかに頭を悩ませていました。
今回は、そんな私が円滑に業務を進めるために気をつけていたことについて共有します。
なぜ正論は嫌われるのか?
栄養士として調理員と関わる時、我々はつい、「正論」をぶつけてしまいます。
「利用者様のため」、「衛生管理のため」、「安全のため」。
我々栄養士の言っていることは、おそらく間違ってはいないでしょう。でも、現場のスタッフはそれだけでは動きません。
実際に、調理員さんには「自分のやり方」、「プライド」などが強くある場合も多く、栄養士が正論を伝えても響きません。
しかも、ついつい上から目線の言い方になってしまうこともありませんか?
「こうしてください」「どうしてやらないんですか?」「これが必要ですよね?」
こういった言い方は、上から目線に聞こえてしまいます。これでは聞く方も素直に受け入れられず、溝は深まるばかり。
この状態で円滑に仕事をすることなどできません。
私がやっている裏の「根回し」
どれだけ自分のことが正しいと思っていても、相手の行動を変えなくては意味がありません。
そのため、私は以下の3つの「根回し」をすることで、自分の意見を通していました。
- 「相談」と称して同意を得る
- 雑談に自分の考えを紛れ込ませる
- 相手のメリットを整理する
これらの根回しをすることで、相手の意見を聞き入れつつ、自分の望む方向へ調理員さんを誘導できます。
それぞれどのような意味か、もう少し詳しく解説します。
「相談」と称して同意を得る
調理員さんは、急に決まったことに対応できないことも多いです。
そのため、「こういう風に考えているんだけどどう思う?」という相談ベースで新しいルールなどを伝えると、同意を得やすくなります。
この時、相手がやってくれていることへの敬意を忘れてはいけません。
「頑張ってくれていることはわかっているけど、こういうメリットがあるから、こう変えていきたい」
という寄り添いと自分の意思を入れることが重要です。
どんな現場でも、プライドを持って働いている人は、自分の知らないところでルールが変わることを強く嫌います。
ルールを決める段階から相談しておくことで、導入されたあともスムーズに対応してくれます。
ただし、相手の意見は聞き入れつつ、自分の意見を曲げてはいけません。
雑談に自分の考えを紛れ込ませる
自分の意見を通すときは、雑談から入るというのも効果的です。
特に、「常に現場にいられない」という栄養士は、来るだけで調理員さんに警戒されます。
そのため、まずは雑談の空気感で話しかけ、相手の緊張を解いたうえで、自分の考えやルールなどを紛れ込ませることが重要です。
また、いきなり決まったことを伝えるのではなく、「今後こうしていきたい」という理想を、早い段階から刷り込んでおくことで、相手もこの先の変化について準備ができます。
「栄養士がこうやって言ってたから、今後こう変わっていくのかな」と思ってもらうだけでも、反感を買いづらくなります。
ただし、急に厨房で自分の考えを伝えても「いきなり何?」と思われてしまいます。
この方法を実践するためには、普段からなんでもない雑談を交わしていることが必要です。
相手のメリットを整理する
自分の思い通りに調理員さんを動かすときは、相手にとってのメリットをしっかり伝えることも重要です。
基本的に、人間は好きなことをやって生きていきたいものなので、いくら仕事でも嫌なことを積極的にやれる人は多くありません。
そのため、なぜその行動を取るのか、それによって調理員さんにもどんなメリットがあるのかということをしっかり伝えることが必要です。
このメリットをしっかり伝えたうえで、相談したり同意を得ることにつなげていくのです。
良好な関係は「正論」ではなく「理解」からしか生まれない
調理員さんと良好な関係を作りたい時、伝えるべきなのは正論ではなく、相手への理解です。
どれだけ知識があって、どれだけ正しいことでも、相手に寄り添う姿を見せなければ、調理員さんとの関係は改善しません。
また、栄養士がお願いすることというのは、得てして調理員さんの負担につながることが多いです。
そのうえで自分の意見を通すためには、なによりも相手を理解し、寄り添う姿を見せることが必要です。
どうしても悩んでしまうという方は…
調理員さんとのやりとりについて、頭ではわかっていてもどうしても悩んでしまうという方は、実際に私と話をして整理してみませんか?
それぞれの職場によって、調理員さんの性格も違えば、環境も違います。
でも、「人間関係で悩んでしまう」という方が、人に話をすると意外な打開策が見つかることも多いです。
私はここまで、多くの栄養士・管理栄養士さん、栄養学生さんの様々な相談に乗ってきました。
そのノウハウを元に、あなたの気持ちを少しだけ楽にできるかもしれません。
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