「体験談」新人病院栄養士が栄養指導で感じた難しさと対処方法について紹介

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こんにちは、tomoblogです!

今回は、栄養指導をしていて感じた難しさについて紹介していきます!

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自分なりに考えた対処法なども記載するので是非読んでみてください!

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他の体験談などについてはこちらも見てみてください!




病院の栄養指導はどんな能力を求められる?

病院栄養士の主な仕事の一つである栄養指導では
一体どんな能力を求められるのでしょうか?

それは

・食に関する知識
・栄養に関する知識
・行動変容を促すための力
・コミュニケーション能力

この4つが主に求められます。

当然栄養指導を聞いてくださる方は、病気の予防・治療
のために食事を変える必要がある方です。

そういった方々にしっかりと食事療法の必要性に
気付いていただくには、知識が必要です。

なぜこの食材が禁止なのか、なぜこの食材を勧めるのか
ということを理解してもらえなければ
行動にはつながりません。

そのために管理栄養士として食事や栄養の知識
使えるレベルにまで持っていく必要があります。

そして覚えておいてほしいのは
国家試験で出るような内容だけでは実際の栄養指導に
太刀打ちできません。

なので、自発的に学ぶ姿勢が常に求められるのが
病院での栄養指導です。

また、知識が豊富で間違っていなかったとしても
栄養指導の際に患者様に不快感を与えたり
現実的ではない行動目標を立てたりすると
どんなに有用なことを話していても
行動にはつながりません。

話を長時間聞く姿勢や、相手の状況
(食事を取り巻く環境)を考慮した指導を
行わなければなりません。

そのためには相手から話を聞きだす雰囲気や
話し方といった、コミュニケーション能力
コーチング力というのが必要です。

少し脱線しますが、大学での授業はこの
行動変容を促す能力というのはなかなか身に付きません。

大学の授業は、講義で知識を詰め込み
実習で更にその知識を定着させる。

という構成になっていますが、こと栄養指導
に有用な授業というのはあまり多くありません。

指導のロールプレイなどをする際も相手は
クラスメイトや先生など、実際の指導には
まるで及ばない緊張感の中でしか行われません。

そんな中でいきなり指導をしてもうまくいく
はずもないので、今のうちからしっかりと
「話す能力」を身に着けてみてくださいね。

病院の栄養指導で難しいと感じたこと

色々な力を求められる病院での栄養指導ですが
僕が働いていて難しいと感じたことは

・必要な知識が多い
・生活習慣の聞き取りが難しい
・患者様の意識に合わせた指導が難しい
・行動変容のための障害を取り除くのが
   難しい

という4つです。

上にも書きましたが、国試レベルの知識を持っている
だけでは栄養指導はできません。

病気のこと、栄養療法のことを知っていても
なぜその食事をする必要があるかを伝えるのが
とても難しいのです。

なにが難しいかというと基礎知識のあまりない方に
時間内に伝えたうえで、行動変容までもっていく

ということです。

時間があるなら、1からすべて話すだけですが
栄養指導は時間が決まっています。

なので、どの部分を伝え、どの部分を省くのかというのを
明確にしておく必要があります。

また、その選択のためにはその方がどこまで
知識を持っているのかも把握する必要があるので
「患者様に合わせた内容を、行動変容に
つながるよう
時間内に伝える」

これが非常に難しいなと感じました。

次に生活習慣の聞き取りについてですが

栄養指導では食事以外にも、職業・運動習慣
既往歴・家族構成など、患者様の個人情報
聞き取る必要があります。

そういった情報が無ければ、食事を作る人がいるのに
お惣菜の選び方を指導したり、肉体労働の方に
もっと運動しましょうと指導したりと
患者様に合わない指導となるからです。

ですが、そういった生活習慣も個人情報なので
どこまで聞き取っていいものかなかなか難しい
所があります。

先輩方は、「指導に必要な部分はやはり聞かないと
いけない」といいますが、患者様に聞いたときに
濁された言い方をされると、それ以上踏み込みづらく
なってしまうので、どこまで聞き取るのかというのが
難しいところですね。

なので、別の話の流れから、聞きたかったことに
話題を変えるなどの会話力が必要だなと感じています。

次に意識に合わせた指導についてですが
患者様によって、危機感がまったく違うことが
あります。

予防の段階からとてもストイックに食事療法を
実施してくださる方もいれば、制限を何一つ
守らない方もいらっしゃいます。

ある程度病気について知っている身からすれば
「ここまで進行してもまだ危機感がないのか」
と正直うんざりするときもあります。

ただ、そういった方に対しても、何度も病気の説明
を行い、食事療法の必要性をお話ししますが
行動が変わらない方も多いです。

そういった意欲のない方の行動変容は本当に
難しく、何か一つでも前に進んでもらえればいい
と思いお話しますが、次の時には悪化して来る。

という方もいます。

逆に、そんなに制限をしなくてもいい方が食事療法を
やりすぎて他の症状が出るというパターンもあるため
その方に合わせた指導というのは難しいなと感じる毎日です。

最後に行動変容の障害を取り除くのが難しいというのは
近くにスーパーがない、お金がない、満足に動けないなど
行動したいけど、それをするための障害が大きいという方に
対しての指導が難しいという話です。

赤の他人が、その患者様の環境や経済状況などを簡単に
変えられるわけもなく、出来る方法を提案するという方法しか
ないのですが、結局お金がないからできない、身体が痛いから
できない。

というので指導が終わってしまうこともあり
その大きな障害の中で、少しでも行動できるような
サポ―トをするだけの引き出しがまだないのが
とても苦しいところですね。

対処方法

それぞれ難しいと感じたことに対しての
僕なりの対処方法についても紹介していきます。

今回の内容としては具体的な解決方法です。

考え方などの精神的な内容はいったん省いて
お話します。

・話す優先順位をつける
・聞き取りをできなかった場合の問題について考える
・できそうなことを患者様本人から言ってもらう

というのが、僕なりに考えた解決策です。

まず、話す優先順位というのは、指導の際にその人に必要
または効果的な内容を最優先に話す。
ということです。

今までは、伝えないよりは伝えた方がいいと思い
時間内で言えることは全て伝えるような指導をしていました。

ただ、それでは情報量も多くなり、結局
大事なところがどこかわからないという
状況になっていたので
「この方にはどの情報を優先して
伝えるべきなのだろうか」
「とりあえず1つ覚えて帰ってもらうなら
なんだろうか」。

ということを念頭に話すよう心掛けるようになりました。

また、大事なのは患者様に有用な指導にすること

というのを基本に、自分が気まずいから聞きとりを
中途半端で終わらせるのではなく
聞かないと患者様にとって不利益があることに関しては
ちゃんと聞き取りをすると決めてお話を聞いています。

最後に、どうしても行動変容できない方には、自分で
小さい目標を立ててもらう
というのを意識しています。

今までは、「これをやってくださいね」
という文字通り「指導」をしていたのですが
考えてみれば20代前半の若者にいきなりそんな
「指導」されて行動できる人は、栄養指導ではなく
それ以外で危機感を持ったような方で
僕が話したから行動変容できたという方はいないんじゃないか
と思い、「指導」ではなく「相談」という意識を持つように
しました。

そうしたことで、一方的に伝えるのではなく、患者様と
一緒に頑張っていくという方向に考えることが
できるようになりました。

やる気のない方でもとにかく何か1つ簡単なことを
自分で目標を立ててみる

というのは行動変容してもらえた実感もある
良い方法だと思いました。

まとめ

tomo
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今回は栄養指導の難しさについての体験談をお話してきました!

tomo
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栄養に関する知識を持っていても、
指導に関する知識を持っていても、
実際に活用するのは全く難易度が違います。

tomo
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これから栄養指導に携わりたいという人は、
どうしたらうまく話せるのか、そして、どう経験を積むのかを考えてみてほしいです。

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